味噌汁の薬膳的作用を解明する

味噌汁に欠かせない食材は言うまでもなく味噌です。

味噌は中国の古い専門書には「醤」として一括して扱われていることが多く、甜面醤も日本の味噌に相当する黄豆醤も一括して寒性(本によっては平性)となっています。

そんな中で唐代の『新修本草』には黄豆醤について寒性で補中益気、健脾開胃などの効能があると記されていたようです。 「いたようです」というのは現在では『新修本草』の原本が失われてしまったので確かめようがないからです。

マニアックなかたのために付け加えると帰経は脾胃腎です。

健脾開胃についてはビールの功能と重なるのでビールについての記事をご覧あれ!。

補中益気は健脾して気を充実させるという意味です。こちらもビールについての記事をご覧いただければ「そういうことか!」となります。

味噌汁の具

ポピュラーな味噌汁の具といえば何でしょうか?

すぐに思いつくのは豆腐です。豆腐は体を冷ます食材です。油揚げを使う場合は豆腐の寒性は弱まりますが、それでも味噌汁という料理をトータルで見ると体を冷ます作用があります。

ワカメも定番ですね。ワカメも体を冷ます食材です。

豆腐やワカメほどではないですがジャガイモも人気の具材です。ジャガイモのサーマルタイプは「平」ですから体を温めるわけでも冷ますわけでもありません。 そうなると味噌の作用が効いてきて味噌汁全体では体を冷ます作用を持つことになります。

トータルでは体を冷ます

味噌汁は基本的には体を冷ます食材の組み合わせで作られています。

その作用の強さは強いほうから豆腐の味噌汁、ワカメの味噌汁、油揚げの味噌汁、ジャガイモの味噌汁の順になります。

どの場合も体を冷ます働きがある点は共通しています。

このような料理は実熱証の人に最も適しています。言うまでもなく体が冷えている人には適していません。ただしこれは味噌汁を単体で食べたときの話です。

実際には味噌汁だけを単体で食べることはないので「体が冷えているときは味噌汁を避けたほうがよい」とはなりません。

薬膳的な意味は組み合わせで決まる

体を温める料理とセットで食べる場合は味噌汁が体を温める作用を助ける場合もあります。この理由は陰中求陽という漢方理論を知ると理解できます。

こういう難しい話に興味がある人はインナーバランス・トリートメントのテキストをご覧ください。

ふつうは味噌汁だけを食べることはないので、実際に体に対してどのような作用があるかは食事全体のバランスで決まります。

例えば温性の料理がたくさんある中に味噌汁を加えるとその食事全体では体を温める結果になります。

涼性の料理と組み合わせて味噌汁を食べると体を冷ます作用はかなり強まります。

味噌汁の功能はどんな料理と組み合わせで食べるかによって意味が変わるわけです。

もしも日常的に涼性の料理と組み合わせて味噌汁を食べているなら常に体を冷やしていることになります。温性の料理と組み合わせているなら食事全体では寒熱のバランスがフラットになります。

生ものを使ったりあっさりした味付けをする伝統的な和食には平性や涼性の料理が多いので、昔の日本人は体を冷やす食事を好んでいた可能性があります。

中国人は薬膳的な意味で体を冷ますことを非常に嫌います。 これに対して日本人は何らかの事情で体を冷ます料理を日常的に食べるほうがよいと考えていたのかもしれません。

熱は精神を高揚させ寒は情緒を安定させます。かつての日本人の生真面目さは食生活の影響によるものかもしれませんね。

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