拐棗

中国には拐棗という植物があります。拐棗は優れた木材なのですが、その果実を食べることができます。

拐棗は木の名前であると同時に木の実の名前でもあるのです。拐棗は中国各地に分布しているので地方ごとにさまざまな名前で呼ばれています。

例えば万寿果、臭杞子、鶏爪子、龍爪、山林果、木蜜、木珊瑚などなど。

拐棗という名前に「棗」という字が使われていますがナツメとは全然違う外観です。中国では「卍の形をしている」と言われることもあります。

果実には水分が多くて甘い中に渋い味が混じった味がします。

生でも食べられますし調理して食べることもできます。さらに拐棗から拐棗酒を作ることもできるのです。

日本にも分布しているにも関わらず日本では全く知られていない拐棗の食文化をご紹介いたします!

拐棗はどんな植物?

拐棗は中国はもちろん、インド、朝鮮半島、日本にも分布している樹木です。25メートルくらいまで成長します。

木材には美しい模様が現れるので家具や工芸品の材料として使われます。利用価値が高いので自然採取するだけではなく植林されています。

中国では北方の寒冷な地域以外には広く分布しています。

薬膳的には木材よりも果実が重要なポイントです。拐棗の薬膳的な性質は次の通り。

まずサーマルタイプは平。

功能は醒酒安神、通利二便、去風通絡、止渇除煩です。

簡単に言えば酔い覚まし、利尿、便秘解消、経絡の詰まりを解消して「風」症状を改善、渇きを解消する作用があるという意味です。

酔い覚ましの功能は複数の資料に掲載されています。もしかすると酒の影響を緩和する特殊な成分が含まれているのかもしれません。

いちばんわかりずらいのは「風」症状を改善するという言葉の意味でしょう。漢方の世界では「風」は特別な専門用語です。

「風」にはいろいろな意味がありますが、たとえばリウマチの症状やめまい、立ちくらみなども「風」症状に含まれます。

拐棗の場合は痺れや痙攣などの症状を改善する作用があるという意味で去風作用があるとされているのです。

さらに『滇南本草』には養脾、『滇南本草図说』によると補中益気、『本草綱目』によると吐き気を止める作用があるとされています。

拐棗の利用法

拐棗は生でも食べられます。また乾燥させた保存食品もあるようです。

拐棗はそのまま食べるだけではなく薬膳料理の具材としても使われます。

例えばブタの心臓、肺と一緒に煮込んだスープは酒の飲み過ぎで体調を崩した場合のケア用いられていました。

またトリのレバーと一緒に煮込んだスープは子供の「疳の虫」をケアする薬膳料理です。

このように料理の具材に使われるだけではなく薬用酒・拐棗酒の原料にもなります。

拐棗酒

拐棗酒の作り方は簡単です。

材料は中国の蒸留酒・白酒、クコ、拐棗です。クコと拐棗の重量は1対5の割合です。

まずクコを白酒に漬け、全てのクコが容器の底に沈むまで待ちます。クコが沈んだら拐棗を入れて密閉します。

気温にもよりますが7日ほどで完成します。

この酒は体内の「湿」を除去する働きがあるとされているので、漢方の世界で風湿病と呼ばれる病気の改善に用いられます。1日の服用量は20から30ccです。

酸味が強い仕上がりになることがあるので苦手な人もいるかもしれませんが薬酒の中では飲みやすい味です。ふつうは毎日続けて飲むことができるでしょう。

拐棗酒には湿を除去する作用があるので漢方理論的には肥満解消の効能も期待できます。

ただし脾胃虚寒証の人には適していません。拐棗酒は脾胃虚寒証を悪化させる可能性があるからです。

脾胃虚寒証は現代の言葉に訳すと「冷えの症状と胃腸のトラブルが併存した状態」です。詳しくは漢方の専門家にお聞きください。

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